1999年に私がはじめてハワイのカフナの事を知ったのは、サージ・カヒリ・キング博士(ハワイ在住アメリカ人)の「ハワイアン・ヒーリング」という本でした。当初かなり精神的にダウンしていた私は、このフナのワークですっかり元気になり、人生の見方が180度 変わり今までの人生の中で最も大きな転換期でした。そこからすっかりフナというものに魅了され 、 ワークショップを受けにカウアイ島にいき、そこで同じキング博士が創設したAloha Internationalの現在CEOであるスーザン・フロイド 女史(ハワイ在住アメリカ人)が教えているテンプル式のロミにはじめて出会いました。
そのすばらしい体験ですっかりフナとテンプル式ロミロミにはまり、それ以降自分と同じつらい体験をしている日本の人達にこれを伝え、少しでも助けになればという一心の思いで、キング博士創設Aloha Internationalで教えているフナを教えていました。スーザン・フロイド女史とも組んでKino Manaという名前のコースにお いて、フナとテンプル式ロミを教えてきました。数年は、それで充分自分でもフナを 信 じていましたし、満足した日々が続いていましたが、年々ハワイを訪れて、ハワイアンの先生方にお会いしていく内に疑問が湧いてきました。 もっときちんとハワイに住んで学ばないとだめだと思い、そこからマヘアラニー先生のクラスや他のハワイアンの先生のクラスを受け、今まで習っていたフ ナ よりもこれぞハワイの真髄というものを感じてきました。そして、ついに2006年にこちらに思いきって移住を決意しました。
日本でも数年前出版された「フナ古代ハワイの神秘の教え」シャーロット・バーニー著書の14ページにも記述されていますが、「フナ」は、もともとマックス・フリーダム・ロングというアメリカ人が、ハワイの教えから心理学や形而上学の知識と併せて世界に広げたと書いてあります。「マナを集める方法」なども記述されていますが、マナは集めるものではなく、自分の 内側に既にあるものです。最後の方に「バラの光りの瞑想」が出て来た時には、本当に驚きでした。ハワイにバラは古来ありませんでした。この本の最後にフナの教える団体が記述されていますが、Aloha International以外は、すべて、アメリカ本土に所在します。本当に古代ハワイの教えであれば、ハワイアンがハワイで教えているはずです。キング氏を含め色々な人たちが手を加え、自分のアイディアを加えて、どんどん変わってきているのです。もはやどこまでが、本当のハワイの教えなのか?そんなものをハワイの教えから来ていると言っていいものか?と思います。
私は、ハワイ島の田舎に実際に住み、ハワイの大自然を肌で感じ、本物のハワイアンの先生たちと時間を過ごすようになって、フナと古代ハワイの教えは違うものだ。という事がようやく実感として涌いてきました。基本原理は表面 的には同じのように見えますが、深く見ていくと違ってきます。フナで説明の際に使っているハワイ語も意味が本来のハワイの意味と異なっていたり、辞書や書物から独自の解釈を作りあげているようです。純粋なハワイのものでないという事です。
最も明らかで重要な違いは、アウマクアという言葉です。アウマクアとは、ハワイの伝統では、誰に聞いても「先祖」です。しかし、フナでは、「ハイヤーセルフ」とか「高次の自己」という意味であると教えています。私も最初は、すべてが新鮮な言葉でしたので、良くわかりませんでしたが、長年スピリチャルな世界とハワイの伝統を学んでいく内に「ハイヤーセルフ」とか「高次の自己」というのは、現代的なニューエージ用語であり、古代の伝統にはそういう言葉や発想は存在しないという事がわかってきました。
当初、人生のどん底にいた私を救ってくれたサージ・キング氏やスーザン・フロイド女史には、大変感謝をしています。そして、実際に世界中の多くの人々が「フナの教え」によって、癒され役に立っている事は事実です。ただ、ハワイの人々の立場から見ると、ハワイという自分たちの生まれた砂、聖地を利用している事を遺憾に思う気持も当然です。最後までカウアイ島のカヒリ家というカフナの家に養子にもらわれたと自称するキング博士だけは、他のハオレ(白人)と異なると信じていましたが、カウアイ島のハワイアンに聞くと誰もカヒリ家という名前を知らないのです。今年の始め、ようやく勇気を振ってカウアイ島に代々住むカフナ・エド・カイヴィに聞いてみたところ彼は心よく答えてくれました。「サージの言っている事は全部彼の作り話だ。ぼくは彼やスーザンに20年前にそれを言ったよ。彼の信じる世界なんだよ。彼は自分の信じるものがある。でも、それはハワイのものではないよ。ぼくの名前を出してもかまわない。」と言いました。
フナ=ハワイの古代の教えだと勘違いしている方が多いのは、残念な事です。キング氏が言う三原則「今あるものに感謝をし、自分を信頼し、ベストをつくす」などは、大変に的をついた、すばらしいものだと思います。ただ、ハワイのオリジナルのものではなく、一つの法則として、広めるべきだったでしょう。
「フナ(厳密にはフナー/Hunā)」は、「秘密」という意味があります。カフナたちは、それぞれの秘密をもっています。しかしその本物のフナーを一般
の人々に解き明かす事はないでしょう。なぜなら、それは特殊な能力を持っている人にしか使いこなせないものだからです。日本でも陰陽師がいました。その秘儀を一般 の人に教えても使えませんし、悪用する人がいる可能性もありますから、家系の中でのみ伝授されてきているわけです。ハワイでも同じです。
人間は、「秘密」という言葉に弱いです。とても魅力的な言葉で興味をそそります。心理学的にとてもうまいところをついたマーケティングといえます。
ハワイの古代の教えをハワイでは一般的にAloha Spirit(アロハの精神)とかAloha Lokahi(一つである事)、あるいはPono(正しい方法/道)と呼んでいます。Ho'oponoponoもPonoの教えの一つです。
ただし、知っておかなければいけない事実は、現在このような内容を教えているハワイアンの先生方は、ご両親の世代からキリスト教を強いられてきました。ハワイ語も話していけない。フラも踊ってはいけない。そういう時代、とくにハワイの教えを伝える事はできなかったのです。今でも、ハワイアンの人たちのほとんどがキリスト教を信仰しています。ですので、先生たちの中には、教え、祈りやロミロミの施術の中での制限などにもそれが反映している方が多いです。
もちろん、ハワイの文化の中に根付いたキリスト意識も尊重しなくてはいけませんが、私は太古ムー大陸の時代の記憶を蘇らせたい、という思いで探究していますしたので、キリスト教の影響を受ける前の純粋な古代のハワイの教えを見つけたいと思っていました。探すのが難しかったのですが、私のHPで紹介している、マヘアラニー先生の教えるHo'opono
Pono Ke Alaは、(Pono=正しい。Ala=道という意味。)は、その一つです。他には、カフナ アウプニ イヴィウラ (www.kalama.org)
が教えていますが、月に1度の3ー4年コースになっていたり、公に教えていない方も多く、なかなか日本人が日本から学ぶに来るのは難しい状況です。
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大きな違いは、先祖霊、守護霊(Na Kupunaあるいは Na Aumakua)との重要な繋がりを教えていない点が「フナや現代版ホ'オポノポノ」と「真の古代ハワイの教え」の最も大きな違いだと気づきました。そういう意味でも、先祖供養を重んじる日本の太古ならずとも神道が古代ハワイの教えとよく似ている事がおわかりだと思います。
マックス・フリーダム・ロングに関しては、彼が全くハワイアンのカフナとは接触せずに、自分でお金ほしさに、「フナ」を作り上げた事がわかっています。彼はオカルト好きな青年で、ハワイに英語の教師して3年間住んでいた間にカフナの存在を知り大変興味を持ちました。しかし、ハワイアンの生徒たちに聞いても教えてくれようとはしなかったのです。当時は、ハワイ語は禁止、ましてやカフナの話などしている事が知られたら禁固刑になる時代だったからです。米国本土に戻ってからも、彼は、この売れそうなネタをあきらめきれず、ついに自分で作り上げたしまったのです。その過程に彼がホノルルに住んでいた友人の宛てた数回に渡る手紙がホノルルのビショップ博物館に保管されています。その手紙の内容から見ても、明らかに彼が話をでっち上げた事がわかります。そして、彼は人生の最後は自殺をしています。
「フナの教え」は、色々な方が日本でも教えにいっているようですが、ハワイアンではない方ばかりです。みなさん1ー2週間ハワイであるいは他の国で白人の先生に習い、それを世界に広めてしまっているというのが現状です(私も最初はその一人でした)。「ホ'オポノポノ」を教えている方の中にも「先祖霊」等という霊についての部分を削除して、現代的に作り変えている方が多いようです。一般的には、特に白人が西洋人向けて教えるには、その方が受け入れやすいと考えたのかもしれません。私は、10年間ハワイに通い、住み、多くのハワイアンの先生にお会いし、先祖代々伝承された家系に生まれていて、ハワイの人たちにもそれを認められている先生に学び実証を重ね、ようやく真実を見つける事ができました。ハワイでもようやくここ1ー2年の間で、ハワイアンの先生たちが、「フナの教え」がハワイのものではない事や「先祖霊とのつながりの重要性」を声を大にして言いはじめています。
英語で出版されている本で生粋のハワイアンが著者でありお薦めできる本:
“The Tales of The Night Rainbow” by Koko Willis and Pali Jae Lee
“The Seven Dawns of Aumakua ”/ “The Cry of the Huna” by Moke Kupihea
“Children of the Rainbow” by Leinani Melville (古書)
“Unwritten Literature of Hawai’i” by Nathaniel B. Emerson
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